アルジェリア人のクリーニングスタッフ

考え、気持ち、エピソード

短期専用フラットの共有部分を毎日掃除、消毒してくれていたスタッフがいました。館内にはいくつも部屋があるのを、どんどん捌いていきます。

顔立ちがアウンサン・スー・チーさんのようだったのでアジア系かと思いましたがアルジェリア出身、推定50代の女性。5年ほどまえに単身ロンドンにやってきたそうで、なかなか思い切った人生の進路変更です。

語学学校には行っていないとのこと。文法はともかく、英語での通常のコミュニケーションは全く問題ない様子で、誇らしげです。母国で使っていたフランス語も、ゲスト対応でよく使っているようで、言語的なアドバンテージを感じているようでした。

いつも機嫌よく挨拶してくれて、こちらの気分を盛り上げてくれました。

自分の仕事が大好きなようで、セルフチェックイン(パスコードで入館)なのに、必ず新しいゲストが来るとお出迎え。どんな遅くでも対応しています。時間外でも働く、仕事大好き人間。共有部分の消毒は、プロ仕様のかなり強いやつのようで、これじゃないとダメだって言われてるって自慢気だったり。セットし終わった他の部屋を見せてくれたり。人が好きで仕事が好きでという情熱がうらやましいほど。

予約サイトで最初は宿泊したのですが、延泊しようか考えていたときに、特別料金で提供できると持ち掛けられました。その金額は全然安いってわけでもなかったのですが、予約サイトの金額が変動制だったので、お金を振り込みました。

領収書を発行してほしいと言っていたのだけれど、なかなか届かず、彼女から催促してもらったのにだめで。滞在が残り数日となったとき、彼女が私に、直接管理スタッフに電話するよう言ってきました。その番号をメモ代わりに写真に撮ったのだけれど、見切れてしまっていたので、彼女に聞き直さずに前に聞いていた他の番号にメッセージを送ったら、会社の違うスタッフに届いたようでした。

そして翌日そのことを彼女に伝えたら、怒り始めました。

「ちゃんと番号伝えたのに」「なんでなの?」「どうして私に聞き返さなかったのか!」

人が変わったよう。

その怒り具合からすると、管理スタッフと彼女がグルになって会社を通さずに部屋を貸して儲けたようでした。

そしてその後は、他のゲストの騒音とか、今まで親身になって聞いてくれていたのに、他のゲストの側に立つようになりました。

ギクシャクした数日を送っていましたが、最後チョコレートを彼女に贈りました。どうもチョコレートは苦手だったような反応でしたが(なんだかそんな予感もあったのに選んでしまった)、機嫌よく送り出してくれました。

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